私たちは「大峰山女人禁制」の開放をもとめます

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私たちは「大峰山女人禁制」の開放をもとめます

活動内容
◆「大峰山(山上ヶ岳)」の「女人禁制」を残したままの「紀伊山地の霊場と
  参詣道」のユネスコ世界文化遺産登録にあたってのアピール
  去る6月28日より中国蘇州でユネスコ世界遺産委員会が開催され、「紀伊山地の霊場と参詣道」が、ユネスコ世界文化遺産として正式に7月1日に登録決定されました。

「紀伊山地の霊場と参詣道」には、「大峰山(山上ヶ岳)」の「女人禁制」区域が含まれています。現在の「大峰山女人禁制」は、男性ならだれでも登ることができますが、女性はたとえ修行者でも入山を拒否されています。これは、国連の「女性差別撤廃条約」や、国の「男女共同参画社会基本法」や「奈良県男女共同参画推進条例」に反し、性別による不平等であり、人権侵害だといわざるを得ません。

 この視点に立って、私たちは開放を求める運動に取り組んできました。21世紀を迎え「男女平等」の実現が世界の潮流となった今日、「大峰山」の「女人禁制」開放に大きな期待をもって見守ってきました。しかし、「大峰山」は女性に開放されることなく、「女人禁制」を残したまま世界文化遺産登録が正式に決定しました。私たちは、ここに遺憾の意を表します。

私たちの「大峰山女人禁制」の開放を求める運動に賛同してもらった233名の呼びかけ人とともに、本年1月より全国で署名活動をとりくみ、日本全国のみならず海外からも寄せられた署名は12,418筆になりました。そして4月には、ユネスコ世界遺産委員会、日本政府をはじめ関係の各機関や寺院に提出しました。

 今回の登録決定に際し、2000年11月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産暫定リストにあげられて以来、世界文化遺産登録に向けて取り組んでこられた関係各方面の皆様方のご尽力に敬意を表しつつも、私たちの署名に対して、どのように審議されたのか、その経過報告を問いたいと思います。

 「大峰山」の「女人禁制」をとりまく歴史のなかには、1872年明治政府による太政官布告98号により神社仏閣の「女人禁制」の解除が制定されて以来、各地の「女人禁制」は女性に開放されてきました。そのなかにおいて、「大峰山」の「女人禁制」は国立公園となり、「女人禁制」の区域が縮小されたりしてきました。宗教的伝統は当初とは異なり、その様相は変化しています。また本年5月、奈良県議会の代表質問でも指摘された通り、「女人禁制」区域に「公道」が含まれるという事実は、「道路交通法」違反であることも判明しました。
このように「女人禁制」の問題は、女性の人権にかかわる国連の条約や国内法、県条例に違反していることが明らかであり、私たちは法律を遵守し、執行義務のある政府や県をはじめ各行政機関の責任ある対応を強く求めます。

私たちは今後も、「大峰山女人禁制」の開放を求める会として、これから世界の「大峰山」はどのように対応していくのかをしっかりと見続け、開放を迎えるその日まで、運動を続けていきたいと思います。この運動に賛同して下さったみなさま方には従前に変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いします。
2004年7月1日
世界文化遺産登録にあたって「大峰山女人禁制」の開放を求める会